ここのところ、大手クラウドサービス事業者のシステム障害が時々話題に上がっています。
それぞれ個別の事業者のはずなのですが・・・偶然でしょうか?
今日は、クラウドサービスを使用するにあたって案外誤解されがちな「稼働率」と、その周辺事情について記したいと思います。
99.5%保証の中身
大手のクラウドサービス事業者の保証内容を見ると、概ね以下のような内容になっています。
・稼働率は月間で99.5%保証です。
・これよりも稼働率が下回った場合、利用料の幾らかを返金します。
※ちなみに、データの保持については別で、この確率で消えたりはしません。
これだけ見るとあまり問題ないように思えますが、
・1ヶ月は31日の月で744時間あります。
保証していない0.5%は、3.72時間になります。
・基準を下回った場合は、あくまで「利用料の返金」です。
止まったことによって生じた損害は補償してくれません。
こう表現すると、ちょっと不安になりますね。
ただ、実際のところは、あまり問題にはなりません。
24時間働いてますか?
バブル時代を彷彿とさせる表現ですが・・・
さすがに24時間働いている方はいらっしゃらないと思います。
結構ハードワークな方でも、半日ではないでしょうか。
少なくとも、そう考えると、仕事中に事故に出くわす確率は、半分の時間になります。
休憩時間や休日なども加味すると、もっと事故率は減ります。
クラウド事業者自体も困る
今、クラウド事業者の2トップといえば、ネット通販世界最大手のa社と、検索エンジン世界最大手のg社です。
これらの業者は、自分たちの事業を自分たちのクラウドサービスを使って展開しており、その事業が止まってしまったら、当然困ります。
そのため、世界トップレベルの技術者を招き入れ、必死になってサービスが止まらないようにしています。
0.5%は止まるかもしれないという書き方ですが、実際のところは、半年に一回、15分くらいの間
「あれ、動かないな・・・」
という状況に出くわす程度で、そのときは昼休みだったから気づかなかった、ということも多々あります。
近年は「日本の大手企業」レベルでも、自前で機材を持っていても彼らと同じレベル・同じ経費で維持できないと判断し、続々とクラウドサービスに切り替えています。
現実的には、それくらい安定しています。
マルチクラウド
いや、それでも困る! という場合は、a社とg社の両方で同じ機能を動かす
マルチクラウド
という手法を使っています。
そうすれば、ほぼ停止することのないシステムが構築できます。
しかし、マルチクラウドの最大の難点は
「a社とg社の説明書を両方読む必要がある」
ことでしょうか。
企業に勤めてシステムを作っている場合だと、単純に人件費が2倍、あるいはそれ以上になるので、やはり資金力がある企業くらいしか手を出しません。
まあ、私はマルチクラウドにチャレンジしてみるつもりです。
会社員としてのしがらみも無いですし、説明書2つ読むことよりも、その先で安定して動作してくれるほうがメリットが大きいので、やってみる価値はあるかなと思っています。