2020-09-12

小さくても、尊い

今日はITの話から少し離れて、最初に記しました設立の趣旨を補足する内容を書きたいと思います。

大企業は「予算」という札束合戦


私は、大企業と呼ばれる会社や、そこまではいかなくとも中規模よりも少し大規模寄りの会社に勤めていました。
周囲から見ると羨ましく思われたりしていたようですが、中身は結構ドロドロした世界でした。

会社もある程度の規模になると、「予算が付く」という概念が出てきます。
ほぼ半期ごとにお偉い方々から「●●の仕事に予算を付けます。人選は…」という言葉が出てくるのですが、その実は
「こんだけ札束積んだんだよ。だから儲かるよね? 儲かるはずだよね?選ばれたんだから責任持ってよね!」
といった押し付け合いです。
その中身も、さも素晴らしそうに話しているものの、どこかの二番煎じだったり、経営者仲間から聞いたからという狭い範囲の話題だったり、そもそも「儲かるから儲かる」みたいな思考がループした内容だったり。
でも、うまくいかなかったら、「なんでおまえら札束積んだのにできないんだよ!」みたいになじられます。

私が勤めていた会社だけだったのかなぁ…大企業でも良心的なところがあるのかなぁ…
今となってはよく分かりませんが、とても虚しい毎日でした。

癒やしてくれたのは「小さなお店」


でも、そんな荒んだ日々の中にも、癒やされる時がありました。

近所で気の利いたメニューを提供してくれるお寿司屋さん。
とあるお菓子の名店。
私の超硬くて縮れた毛をサッパリした仕上がりに整えてくれる美容師さん。
体調が悪くなったときに親身になって診察していだたける開業医の先生。
秋葉原に30年以上前からある、部品屋さん巡り。

いずれも小規模な場所ながら、そこにいると本当に心安らぐのです。
最後に勤めていた会社を去ると決めたとき、次の就職先のことよりも、
これまで「自分を癒やしてくれた皆様」に役立つことはできないだろうか?
同じように、「他の誰かを癒やし続けていらっしゃる皆様」を支えることはできないだろうか?
という思いが、真っ先に浮かんできました。
まあ少しばかり貯金もあるし、チャレンジしてみるのもいいかな? と思い、現在に至ります。

仕事には嘘はつかなかった


会社勤めは虚しいことの連続でしたが、一つだけ、心の中で絶対に守っていたことがありました。
それは
「仕事そのものに、自分が嘘をつかない」
という意思です。

ITエンジニアであれば、作ったものが確実に動くことに全力を尽くす。
それでも時々思いもよらないことが起きるけど、その時は気力を振り絞って解決する。
周りが安穏としていようと、新しい技術は自分で勉強する。
たまに変な横槍で崩れたりもするけど、また作り直す。

もしかして、これも一つの貯蓄だったのかもしれません。
そして今、その貯蓄を本来の形で使う時が来たように思います。

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