本日自省したこと、および、最近のIT業界に対する若干の挑発? 的な内容を書きます。
最近、IT業界で「フルスタックエンジニア」という言葉がよく使われています。
簡単に表現すると「自分、なんでもできますよ」という意味です。
でも、ちょっと待った!
本当に何でもできるんですかね?
私の専門は「アプリケーションエンジニア」と言われる仕事です。
家を建てる例で申しますと、柱とか間取りの設計、といったところでしょうか。
でも、家を建てたことがある方ならご存じかと思われますが、一軒の家を建てるにも、様々な専門の方がいらっしゃいます。
・まず、元々古い家が建っていたりすると、それを解体する方
・解体したら、土質を調べて基礎をどう打てばいいかを調べる方
・実際に土質を検討の上、適切な基礎杭を打つ方
・基礎杭を元に、コンクリートの基礎を作る方
・その基礎の上に、柱を立てる方(このあたりくらいが自分の範囲?)
・柱に壁を付けていく方
・コンセントの配線を付ける方
・ガス工事の方
・上下水道の配管の方
・屋根を張る方
・壁紙や床など、内装を作る方
・基礎以外の階段など、外構を作る方
・それらを全てチェックし、予定通りに作られているか検査する方
と、本当に様々です。
それは別の業種だから違うだろう? いいえ、コンピュータのソフトも、似たようなものです。
それゆえに、なんでもできますという意味の「フルスタックエンジニア」という言葉、眉唾物だと思ってます。
前回のブログに、自分の失敗談を挙げましたが、それは正に「自分でもできるっしょ」とか甘く見て失敗した例です。上記の例ですと、柱の設計する人間が、基礎くらい作れるっしょと調子に乗って失敗した例ですね。本当に自社サイトでよかったです・・・
そのようなことを何度か経験している故に、なんでもできますという「フルスタックエンジニア」という言葉には「ちょっと待て〜、一言もの申〜す」(エガちゃん風)と言いたくなります。
もうちょっと学術的な話をします。
「ダニングクルーガー曲線」というグラフがあります。
これは何かと申しますと、少々知識を囓ると「オレスゲー」的に自信が急上昇します。
しかし、もっと学んでいくと・・・囓った程度では到底先に進めないと実感し、かえって学ぶ前よりもガクっと自信が無くなります。
でも、それでも学び続けると、少しずつ自信がついていきます。
しかし、当初の「オレスゲー」までには至りません。
私は、「フルスタックエンジニア」を自称する殆どの人は、どのジャンルにおいても初期段階の「オレスゲー」で止まってるだけだと思っています。
悪い言い方かもしれませんが・・・イキってるだけのガキです。
難しいところは、イキってるだけの人物と、本当にすごい人、どうやって見分けるかです。
そこは私も答えが出ていないのですが、(本当に凄い人には申し訳ないのですが)本当に全部がプロフェッショナルとしてこなせる人は「世界に数人」レベルだと推測されますので、基本的に「自分、フルスタックエンジニアです」と豪語する人は、避けて通るのが無難では無いかと思います。
ITの専門外の人には難しい見極めですが、
・何が専門ですか? と聞いてみて、明確に回答できる人
・専門外のことについて尋ねてみて「ちょっと専門ではないので・・・知り合いに頼ってみます」くらいの謙虚さのある人
が、最大公約数的に信頼できる技術者の方ではないかと思います。
以上、一技術者の見解ですが、ご参考にいただければと思います。
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